頭痛について
ストレス社会である現在において、日本人の4人に1人は頭痛持ちとされています。頭痛は命にかかわらない体質的な要素の強い一次性頭痛と、何らかの原因によって誘発される二次性頭痛に分けられます。一次性頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあり、頭痛患者さんの90%はこのタイプです。二次性頭痛は脳腫瘍、脳血管障害、髄膜炎などが原因となり、これらは専門医療機関での治療が必要です。一次性頭痛の多くは一般内科外来で対処が可能であり、その特徴を説明させて頂きます。
①片頭痛
20~40代の女性に多く、ズキズキと脈打つ痛みが出現し、吐き気を伴うこともあります。その他にも、頭痛が出現する前に視界がチカチカしたり(閃輝暗点)、光・音・においに過敏になったりします。頭痛時の治療として鎮痛薬の効果は乏しく、トリプタン製剤が有効とされています。頭痛の回数が多い方には予防薬(Ca拮抗薬、抗てんかん薬)もあります。
②緊張型頭痛
パソコンを使うなど長時間同じ姿勢で仕事をしている方に多く、頭全体が締め付けられるような痛みが出現します。朝より夕方に悪化しやすく、精神的ストレスによって出現することもあります。片頭痛と異なり、吐き気を伴うことはほとんどありません。マッサージやストレッチで筋肉をよくほぐすことが大切で、ストレスが原因の際はリフレッシュすることが必要です。治療薬は、鎮痛薬や筋弛緩薬が有効とされています。
③群発頭痛
毎晩決まった時間に片眼に激しい痛みが出現し、一定期間(約1か月)続きます。片頭痛が女性に多いのに対し、群発頭痛は20~30代の男性に多く、その中でもヘビースモーカーや大酒家に多いのも特徴です。治療薬は片頭痛と大体同じで、禁煙・禁酒することも大切です。
頭痛診療において、まずは一次性頭痛と二次性頭痛を鑑別することが大切で、そのためにはCTやMRIなどの画像検査が有効です。当院にはCTがあるので、多くの頭痛の鑑別が可能です。また、MRIなどの更なる精査や入院加療が必要と判断した場合は、専門医療機関に紹介させて頂きます。頭痛でお困りの方は、診察を受けにきて下さい。