レビー小体型認知症について
〇レビー小体型認知症について
認知症の中で最も多いのはアルツハイマー型認知症ですが、2番目はレビー小体型認知症か血管性認知症とされています。特にレビー小体型認知症は、芸能人の蛭子能収さんが本疾患と診断されたこともあり世間で注目されています。アルツハイマー型認知症はアミロイドβ蛋白が蓄積し、海馬が萎縮してきて、もの忘れが出現してくることなど、既に多くの方がご存じかもしれません。そのため、認知症=アルツハイマー型認知症と考えている方が多くみられますが、実際のところは原因の異なる様々な認知症があるわけです。
レビー小体型認知症はαシヌクレイン蛋白を主構成成分としたレビー小体が脳に出現することによって認知症を引き起こします。パーキンソン病という病気を聞いたことがあるかもしれませんが、じっとしているときに手が震える、動きが鈍い、体が固い、転びやすいといった症状を特徴とし、このパーキンソン病もレビー小体が原因になっています。すなわち、レビー小体型認知症とパーキンソン病は同じレビー小体が原因であり、その出現部位の違いによって症状が異なっているわけです。そのため、レビー小体型認知症の方にパーキンソン症状が出現しやすいこともご理解頂けるかと思います。
アルツハイマー型認知症は記憶障害(もの忘れ)が主に出現してくるのに対し、レビー小体型認知症では記憶障害は軽度とされています。また、幻視を中心とした幻覚や注意障害が出現し、認知症症状が変動しやすいことも特徴です。レビー小体型認知症で出現する幻視は、「子供が部屋で遊んでいた」などといった、ありありとした鮮明なものとされます。寝ているときに大声をあげたりするレム睡眠行動異常症という症状が出現することもあります。頭のCTやMRIを撮ると、アルツハイマー型認知症では海馬の萎縮が目立つのに対し、レビー小体型認知症では萎縮は目立ちません。また、心筋MIBGシンチグラフィーやDAT scanといった核医学検査を受けると異常がみられ、診断する上で指標になります。
以上のように、レビー小体型認知症の特徴をお伝えさせて頂きました。