パーキンソン病について
パーキンソン病という病気をご存じでしょうか?体がふるえたり、円滑に動かせなくなる病気ですが、60歳以上では10万人に1000人(約100人に1人)がこの病気にかかるとされています。現在日本は3人に1人くらいが60歳以上とされているので、人口が約80万人の浜松市においてはパーキンソン病の方が2000人はいる計算になります。しかし、実際に医療機関で診察を受けている方はこれより遥かに少ないと思います。
パーキンソン病は、ふるえ(振戦)、動作がのろい(動作緩慢)、筋肉が固い(筋固縮)、転びやすい(姿勢反射障害)といった症状が徐々に進行してきます。また、前傾姿勢、小刻み歩行、表情が乏しい(仮面様顔貌)といった症状や、便秘・立ちくらみなどの自律神経症状を伴いやすいことも特徴です。初発症状として多いのはふるえ(振戦)ですが、じっとしているとき(安静時)に出現しやすく、左右差を伴うことも特徴です。これらの症状は脳の変性によってドーパミンという物質が減ってしまったことが影響しており、ドーパミンを補充することによって症状を軽減できます。
体がふるえる、動作がのろい、前かがみになる等の症状は、加齢によって出現するものでもあり、「年だから...」で片づけてしまっている方も多いと思います。ですが、60歳以上の方の100人に1人くらいはパーキンソン病です。加齢の影響と考えている症状の中には、パーキンソン病が潜んでいる可能性もあるので、気になる症状がある方は受診して下さい。